振替納税の手続きがオンラインでできるようになっています。さっそく今年の確定申告時に利用しようとしたのですが…、残念ながら断念しました。

振替依頼書のオンライン提出

納税を口座引落で行える振替納税は、これまで、事前に「納付書送付依頼書・預貯金口座振替依頼書」という書面を税務署または金融機関に提出する必要がありました。
今年からこの手続きがオンラインでも行えるようになり、しかも、国税庁のHPによれば、電子署名や電子証明書なしで手続きできるというのです。
振替納税の手続きについて、現在、国税庁のHPで説明しているのは以下のリンクのページです。
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24100020.htm

オンライン手続きの具体的な流れについては、このページの中ほど、「納付手続(事前準備)」の2番に、「振替依頼書オンライン提出の流れ」というPDFが用意されています。

おおまかに説明すると、次のような流れということです。
1)e-tax にログインして振替依頼書への記載内容を入力
2)引落口座の情報を入力
3)引落口座がある金融機関のウェブサイトへと移行し、各金融機関ウェブサイトで口座振替申込に必要な情報を入力
4)e-tax に再度移行し、提出ボタンをクリックして手続き完了

金融機関サイトでの手続きも同時に行える

この手続きは、オンラインで完了できるよう、これまで書面により税務署→金融機関と行っていた申込を、1回でe-taxと金融機関の双方で行えるようになっています。
利用しようとしている金融機関側がオンライン受付に対応していることが必要ですが、対応金融機関であれば、一連の手続きは、e-taxと金融機関のウェブサイトの間の移行もボタンをクリックすることで進んでいくようです。
主要な銀行は概ね対応しているようですし、信用金庫、信用組合なども数多く対応しています。

金融機関サイトで本人認証あり

金融機関の手続きもオンラインで行うためには、金融機関側での本人認証が必要ということになります。国税庁の「オンライン提出の流れ」によると、金融機関サイトに移行すると、そこで利用者情報を入力することになっています。具体的に求められる情報は金融機関により異なる場合があるということですが、「オンライン提出の流れ」では口座のキャッシュカードの暗証番号、通帳残高の下3桁と生年月日が挙げられています。

今回、私が利用しようとしたのは、自分自身ではなく、クライアントに振替納税を利用していただくため。私がクライアントに代わって、金融機関の手続きもオンラインで行うためには、暗証番号のような本人認証のための情報をクライアントから提供いただく必要があるわけです。極力、そうした情報のやりとりを避けたい、では、クライアント自身でe-tax で手続きいただけるかというと、そうしたことの一切をこちらでお引き受けしている状況で、1度もe-tax を利用したことのない方に手続きいただくのは現実的ではないと判断しました。結局、書面で手続きをしました。

納税者自身が手続きするなら便利

もともとe-tax を利用して自分で確定申告を行っている、あるいは行おうとしている納税者が、自分で手続きするのには便利であると思います。電子署名等なしで手続き可能としたのも、利用しやすさを考慮してのことでしょう。

また、クライアントのために手続きする場合は、直接お会いできるタイミングで、税理士とクライアントが一緒に手続きする方法はありうると思います。

ともかくも、オンラインのみで手続きが完了できるオプションが提供されたわけで、この点で国税関係手続きの電子化は、また利便性が増したと思います。